仏様 なにが違うの?|如来 菩薩 明王 天部

神社仏閣基礎

みなさんは、京都に行ったらお寺を拝観されると思います。

もちろん建造物のすばらしさ、巻物や陶磁器などの有形文化財などを見ると思います。

しかしながら、1番のみどころはお祀りされている 仏像 ではないでしょうか?

でも、いろんな仏様がいらっしゃい過ぎてわかりませんよね。

今回は、簡単に仏様を説明しましょう。

お寺と言えば、仏様。でもなにが違うか知りませんよね?

きつねくん
きつねくん

今回の京都の旅も、みどころがたくさんあったね。

たぬきくん
たぬきくん

今回お寺を中心に回ったけど、仏像がいっぱいあったね。

如来様とか観音様とか四天王様とか。

きつねくん
きつねくん

そういえば、たぬきくんは、仏様の違いは知っているの?

たぬきくん
たぬきくん

うん?

仏様の違い?

きつねくん
きつねくん

今回見たお寺には、大日如来様や阿弥陀如来様がいたよね。

なにか気が付かない?

たぬきくん
たぬきくん

なんか、同じような名前の仏様がいっぱいいる気がした。

あっ!!そうか!!

みんな如来様だったんだ。

きつねくん
きつねくん

そうだよ。

あとは、馬頭観音様や千手観音様、日光菩薩様、月光菩薩様など

同じ名前が入っているのに気が付いたかな?

たぬきくん
たぬきくん

そうだけど、同じ神様がいっぱいいるってこと?

一体何が違うの?

きつねくん
きつねくん

じつは、神様は、階級社会で如来や菩薩は役職みたいなものなんだ。

仏様は階級社会

きつねくん
きつねくん

如来様を頂点とした階級構造になっているんだよ。

たぬきくん
たぬきくん

羅漢・高僧は人で、天部より上の方がたが、神様なんだね。

きつねくん
きつねくん

詳しく説明していくよ。

如来(にょらい)

参考画像:仏像紹介BOT @butsuzobot 平等院鳳凰堂阿弥陀如来像

如来様は、悟りを開いた者です。

そのため、物への執着心はなく、服装は質素で布1枚または2枚の姿で描かれています。

如来様だということはすぐにわかるのですが、どの如来様か単独で分かりにくいのも特徴です。

代表的な如来

如来説明
釈迦如来
(しゃかにょらい)
お釈迦様|仏教の開祖が悟りを開いた姿。
阿弥陀如来
(あみだにょらい)
人が死んだときに、極楽浄土へ連れて行ってくれる。
生前の功徳(行い)によって、9つの来迎(むかえ方)がある。
薬師如来
(やくしにょらい)
あらゆる病気を治すとされている。
手に薬壺(やっこ)を持っているのが特徴。
日が出ているうちは、日光菩薩と共に、夜は月光菩薩とともに24時間人々を救っている。
毘盧舎那如来
(びるしゃなにょらい)
宇宙の真理そのものを現す。
お釈迦様は、人々を救うため毘盧遮那如来の化身として現れたと言われる。
宇宙を現すため、とても大きく作られることが多い。
代表的なのは、奈良の大仏。
大日如来
(だいにちにょらい)
太陽の光がどんなところにも届くように、宇宙の真理そのものを現す。
密教の中では、悟りを開き、大日如来とひとつになることを求め修行を行う。
叡智を極めた不動の存在のため立像はない。
他の如来との大きな違いとして、羅髪でないこと、豪華な冠をかぶり、ネックレスなどの華やかなアクセサリーをしています。

如来の特徴

特徴説明
髪型如来様は、髪型を見ればわかります。
羅髪(らほつ)と言われる髪です。いわゆる、パンチパーマ風の髪型。
盛り上がった頭頂部は「肉髻(にっけい)」といい、深い知恵を表しています。
服装服装は質素で、ぜいたくな物は必要なく、服装は質素で布1枚または2枚の姿。
持っている物薬師如来を除き、なにも手に持っていません。
三尊形式
脇侍(わきじ)がいる
如来様は、基本的に一人でいることなく、サポートの菩薩様が脇にいます。
如来様を単独で見分けようとしても、難しいのですが脇にいらっしゃる菩薩様で
如来様を確認することが出来ます。
【釈迦如来】
  1.普賢菩薩・文殊菩薩
  2.帝釈天・梵天
【薬師如来】
  1.日光菩薩・月光菩薩
【阿弥陀如来】
  1.観音菩薩・勢至菩薩

如来様方には、如来三十二相という人を超越した特徴があります。

羅髪(らほつ)が最大の特徴ですが、そのほかにも白毫相(びゃくごうそう)という、額(ひたい)に右巻の白い毛があり光明(ひかり)を放ちます。

また、一一孔一毛生相(いちいちくいちもうしょうそう)と言って毛穴には全て毛が生えており、良い香りがするなんて特徴もあります。

また、首に3本の線がある三道(さんどう)は、八十種好(はちじゅっしゅこう)というさらに細かい特徴となるようです。

きつねくん
きつねくん

悟りを開いた姿。

人々を救うため、見守っていてくれてるよ。

菩薩(ぼさつ)

参考画像:三十三間堂ポストカード引用

菩薩は、これから悟りをひらく存在です。まだ、悟りに至っていないことから、その姿は如来様より豪華です。

救いを求める人をすぐに助けに行けるように立ち姿で表されることが多いです。

代表的な菩薩

菩薩説明
観音菩薩
(しょうかんのんぼさつ)
観音様と単純に言えば、聖観音菩薩(しょうかんのんぼさつ)です。
現世に生きる人々の願いを叶えます。
観音菩薩の正式な名前は、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)・観自在菩薩(かんじざいぼさつ)です。
観音菩薩は、聖観音菩薩や、千手観音菩薩、十一面観音菩薩、馬頭観音菩薩と名前が違うものを聞いたことがあると思いますが、それは人々の願いに応じて観音様の姿が変化したものです。
そのため、変化観音菩薩などともいわれます。
単独も多いが、阿弥陀如来の脇侍としても多く祀られている。
弥勒菩薩
(みろくぼさつ)
釈迦が亡くなられてから56億7千万年後に仏となりこの世に現れ、釈迦の教えで救われなかった人々を救済するといわれています。
そのため、弥勒如来としてあらわされることもあります。
地蔵菩薩
(じぞうぼさつ)
弥勒菩薩様が現れるまで、人々を救う役割があります。
そのため、道祖神であったり、子供の守り神であったりします。
六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道)の全てを巡り救います。
閻魔大王も地蔵菩薩の一つの姿です。
文殊菩薩
(もんじゅぼさつ)
知恵をつかさどる神様。
釈迦の死後に生まれた実在の人物で、仏教典の内容をまとめた人物です。
そのため、普賢菩薩(ふげんぼさつ)と共に釈迦如来の脇侍(わきじ)として控えています。
獅子にまたがっている凛々しい姿をしている。
普賢菩薩
(ふげんぼさつ)
普賢(ふげん)とは、普(あまね)く賢い者の意味。普くとは、隅々まで広くということから、すべての者に教えを説き救済する菩薩様。
白い象に乗っている。
昔は、女性は成仏できないという考え方もあったが、法華経(ほっけきょう)|大乗仏教の初期に成立した経典に女性成仏の仏として登場したので、女性からの信仰を集めた。
そのため、その御姿は女性的で美しいものが多い。
勢至菩薩
(ぜいしぼさつ)
阿弥陀如来の脇侍。
単独で祀られていることは、非常に少ない。

菩薩の特徴

特徴説明
髪型髪は高く結われ、冠をかぶっていることが多いです。
服装ネックレスやブレスレットなど華やかなアクセサリーを身につけています。
持っているもの菩薩様は、如来様より具体的な願いを叶えるため、持ち物は多種多様です。
如来と同じ特徴悟りを得る直前のため、一部如来様と似ている部分があります。
それが、白毫(びゃくごう)・三道(さんどう)などです。

菩薩様は、如来様より具体的な願いを叶えるため、その姿は多種多様です。持ち物もそうですが、手で作る印も数多くあります。

たぬきくん
たぬきくん

菩薩様は、多くの人々を守り、願いを叶えるための姿をしているんだね。

明王(みょうおう)

明王と言えば、どの明王も怒りの顔をしており、怖いという感情が第一に来ます。

それもそのはず、明王様は悪を叱りつけて仏教の道をさとすのが役割だからです。

また、明王と天部はもともと古代インド神話に登場する神々。

仏教以外の神様が仏の道に進んだ姿です。

特に夜叉や阿修羅と呼ばれた悪鬼神が仏教に包括されて善の神となった者が多いです。

古代インド神話で上位の存在である神々が、明王となっています。

代表的な明王

明王説明
不動明王
(ふどうみょうおう)
不動明王は、大日如来が仏教の道をさとすために現れた姿とされています。
片方に三つ編みのおさげにした髪型が特徴的です。
不動三尊として、制吒迦童子 (せいたかどうじ)、矜羯羅童子(こんがらどうじ)という子供が、そばにいることがあります。
愛染明王
(あいぜんみょうおう)
愛情や情欲を司る神様です。
そのため、「人々が愛情を求めるのは自然なこと」だと教えています。
金剛夜叉明王
(こんごうやしゃみょうおう)
北方を守護し、一切の悪魔を降伏(ごうぶく)する明王。
5つの眼を持っている。
不動明王を中心にし、東西南北をそれぞれの明王が守る『五大明王』の一人。
降三世明王
(ごうざんぜみょうおう)
東方を守護し、三千世界の支配者、シヴァを倒した勝利者。
足元に、シヴァとその妻 烏摩妃(うまひ)を調伏(ちょうぶく:悪行を制す)している。
大威徳明王
(だいいとくみょうおう)
西方を守護し、生あるものを害するすべての毒蛇悪竜,怨敵(おんてき)を打ちたおす。
泥水や陸を自由に水牛があるけることから、全ての世界を渡り歩き全ての世界を救う姿を示している。
軍荼利明王
(ぐんだりみょうおう)
南方を守護し、病気・延命の明王。
身体のいたるところに、蛇がいるのが特徴です。

明王の特徴

特徴説明
髪型不動明王のみ三つ編みのおさげだが、他の明王は焔髪(えんぱつ)といい炎のように逆立った髪をしている。
忿怒相(ふんぬそう)と呼ばれる怒りの顔。𠮟りつけて仏の道をさとす。
体形筋骨隆々と思いきや、どの明王も柔らかい体つきをしている。腕もおなかもムチムチです。
光背(こうはい)背中の後ろに、火焔光背(かえんこうはい)と言われる炎が燃え上がっている。
特に不動明王の光背は、鳥が飛び立つ姿をしていることから迦楼羅光背(かるらこうはい)といわれる。
迦楼羅(かるら)は古代インドでは、火や太陽を神格化した神と言われ、巨大な霊鳥です。
きつねくん
きつねくん

怖いけど、その姿に惹かれるね。

天部(てんぶ)

参考画像:興福寺 公式HP

明王と同様、古代インド神話での神々。

その姿は、様々です。

女性の姿をした神や、戦の姿をした武神、獣の姿をした獣神がいます。

明王は、人々や敵をさとす役割がありますが、天部は、須弥山(しゅみせん)という世界の中心にある山にいて、仏法と仏教世界の守護の役割を持っています。

代表的な天部

天部説明
梵天
(ぼんてん)
古代ヒンドゥー教の最高神。
釈迦が悟りを開いたときに、仏教を広めるよう勧めたとされている。
帝釈天
(たいしゃくてん)
古代ヒンドゥー教の最強神。
釈迦の修行時から従っている。
梵天と帝釈天で、釈迦如来を守る三尊となることが
弁財天
(べんざいてん)
七福神としても有名。もともとは、作物と河の神だった。そのため水辺にいることが多く、蛇や龍の化身ともされている。東洋の楽器の琵琶(びわ)を引く姿から、才能の神様弁才天と記載される。また、弁財天と記載し、財力の神様としても祀られる。
毘沙門天
(びしゃもんてん)
七福神の一人。邪鬼(じゃき)を踏みつけた戦神の姿をしている。
四天王とし、北を守護する際は、多聞天(たもんてん)と名前が変わる。
四天王のなかで、リーダー的な存在。
金剛力士
(こんごうりきし)
お寺の門を守る姿が印象的。上半身は裸で、筋骨隆々。阿吽の二体が安置されていることが多い。
顔は、入ろうとする際は怒りの顔、出ようとする際は笑い顔に見える。
阿修羅
(あしゅら)
怒りの顔をしている姿に三つの顔が有名。
興福寺の阿修羅像は、イケメンですがこれは仏の教えを聞き改心した様子を現している。
きつねくん
きつねくん

古代の最高と最強の神を従えることで、釈迦如来の地位を現す三尊としているんだね。

天部の特徴

特徴説明
多種多様それぞれの神々が個性があります。
女性、戦神、獣神と姿も様々です。
作者や、お寺の願いによって同じ神様でも姿が違うのは見所です。
四天王
八部衆
十王
十二神将
二十八部衆
神々の集まりによって、いろいろな名前があります。
東西南北を守護する四天王は有名です。
きつねくん
きつねくん

同じ神様でも、お寺によってその姿は全然違うんだよね。

羅漢・高僧

羅漢・高僧は、実際に実在した人々で、修行を行いながら、仏の教えを人々に説いてきた者のことです。

たぬきくん
たぬきくん

神様では、ないってことだね。

悟りを開くために努力している最中だね。

説明

羅漢・高僧説明
羅漢
(らかん)
羅漢とは、釈迦の弟子のことです。
特に優れた10人の弟子を10大弟子と呼びます。
また、十六羅漢や五百羅漢などの形で祀られている場合もあります。
高僧
(こうそう)
実際に、仏教の布教につとめた者たちのことです。
日本へ仏教の布教を広めた鑑真(がんじん)。
真言宗の宗派を開いた開祖の弘法大師(こうぼうたいし)などが該当します。

まとめ

  • 仏教の神々は階級がある。
  • 如来様は、最高神。姿の判別がつかない時は、脇侍(わきじ)を見よう。
  • 菩薩様は、優しいお顔をし人々の願いを聞いてくれる。
  • 明王様は、怒りの姿で人々をさとす。
  • 天部様は、多種多様な姿で人々の願いを叶える。

参考文献

やさしい仏像 マンガで教養 [ 吉田さらさ ]

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感想(4件)

たぬきくん
たぬきくん

マンガで描かれているから、すごいわかりやすかったよ。

きつねくん
きつねくん

一度よんでおくと、お寺の見方が広がるよ。

コメント

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